水銀を含んだ産廃の取扱いについて

申請の方法を間違えると多くの費用と時間がかかります!

水銀の取扱いに関する申請は、本来ならば取扱う産廃の品目の追加にあたるので、変更許可申請をする必要があります。変更許可申請は費用や時間の点で新規申請と大差ありません。手数料がかからない変更届とはその負担が大きく異なります。
しかし、今回の水銀の取扱いに関する改正には経過措置があり、その経過措置を利用して負担の少ない変更届で水銀の取扱いが申請できることになりました。ただ、その方法は複雑で、しかも手続きを一度間違えるとやり直しがきかなくなるので注意が必要です。
以下、 水銀の取扱いに関する申請についてまとめましたので、是非ご一読ください。

平成29年10月1日から水銀を含んだ産廃の取扱いが変わりました

水銀の取扱いの変更点

平成29年の10月1日から、新たに「水銀使用製品産業廃棄物」と「水銀含有ばいじん等」と「廃水銀等」という分類ができました。

今回の変更で産廃業務が具体的にどう変わるか

そもそも普段の産廃業務で水銀を扱っているのか

実際お客様に水銀の取扱いの有無をお尋ねすると「うちは水銀なんて扱ってないから、関係ないなあ」と仰る方が多いです。「では、蛍光灯ランプや水銀電池、水銀体温計なんかは如何ですか?」と重ねてお尋ねすると、多くの方が「あ、それは運べた方がいいなあ」と仰います。この「 蛍光灯ランプ や水銀電池、水銀体温計 」は「水銀使用製品産業廃棄物」にあたります。

水銀を扱うためにどういう許可が必要になるのか

これまでは、蛍光灯ランプを運ぶためには産廃収集運搬の品目として「廃プラスチック類」と「金属くず」と「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」があればOKでした。
しかし、 平成29年10月1日からは、その「廃プラスチック類」と「金属くず」と「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」 それぞれについて『水銀使用製品産業廃棄物を含む』という条件を新たに付け加えることが必要になったということです。
以下、蛍光灯ランプを取り扱う場合を例にご説明いたします。

経過措置について

今回の変更は突然の変更であり、対応する事業者に過大な負担がかからないように経過措置が設けられています。

経過措置の内容

経過措置として、 平成29年10月1日 時点で「水銀使用製品産業廃棄物」(例:蛍光灯ランプ)の取扱いをしている事業者は、引き続き取り扱いが可能ですが、次回の許可更新時に『水銀使用製品産業廃棄物を含む』という形で許可証の書き換えを行う必要があります。
また、次回更新時を待たずに、 変更届をもって『水銀使用製品産業廃棄物を含む』という形に許可証を書き換えることもできます。ただしこの変更届は、①次回更新時を過ぎれば提出できないこと、② 経過措置としてのこの変更届は一度しか提出できない(例えば、「水銀使用製品産業廃棄物」である「 蛍光灯ランプ」を取扱う変更届を出したが、後になって同じく「水銀使用製品産業廃棄物」である「水銀電池」を取扱う変更届を出そうとしても受付けてもらえない場合がある)こと、に注意が必要です。

結局、水銀を取り扱いたい場合どうすればよいか

代行事務所に頼む場合

ほとんどのお客様は、次回の許可更新時に『水銀使用製品産業廃棄物を含む』という形で許可証の書き換えをしていただくことになります。
間違いがあってはいけないので、行政書士事務所に依頼されるのがよいと思われますが、その際は『水銀使用製品産業廃棄物を含む』という形で許可証の書き換えをしてくれるように依頼することを忘れないでください。
もちろん、当事務所では初回面談時に水銀使用製品産業廃棄物についてご説明し、可能な限り水銀を含んだ産廃を取り扱えるように申請しております。

ご自身で申請される場合

なお、ご自身で申請される方のために、以下に対応の方法をご紹介いたします。

①次回許可更新時に『水銀使用製品産業廃棄物を含む』という形で許可証の書き換えを行う

この方法が一番簡単なのでおすすめです。水銀を取り扱う可能性がある品目については全て申請しましょう。この機会を逃すと、負担の重い変更許可申請しかできなくなります。

②次回許可更新の期日前に許可証の書き換えを希望する場合は、「変更届」を提出する。

①の方法が簡単ですが、取引先等から「水銀を取り扱えることの証明が必要」と言われた場合など、更新の期日を待っていられない場合があります。 この場合は、次回更新時を待たずに、変更届をもって対応することもできます。ただし、前述した通りこの変更届は、一度しか提出できない点に注意が必要です。

③①も②もできなかった場合は、「変更許可」で対応する。

不幸にも、①も②もできなかった場合は、変更許可で対応するしかありません。変更許可申請は費用や時間の点で新規申請と大差ないほど大変ですから、できるだけ①または②の方法で対応しましょう。

最後に

以上の記事は、神奈川県及び東京都を念頭にご説明いたしました。その他の地域に関しましては、それぞれの地域で役所の対応が異なる場合もございますので、念のため申請先にご確認ください。
また、以上の経過措置については、状況に応じて役所が取り扱いを変更する場合があります。当事務所も可能な限り最新の情報を更新してまいりますが、最終的には申請先にご確認いただくのが最も確実であると思います。

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